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助産師がママを支えるということ〜周産期メンタルヘルスケアの話

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父親の育休なんかが盛んに話題になりますが、社会では児童虐待や産後うつ、自殺などが増えています。

私も普段病棟や外来で働いていると、少なからず精神的にやや不安定だったり追い詰められた様子の妊婦さんやママさんに出会うのですが、私たち助産師はそんなママ達にどのように関わるべきなのか。

結構それって難しくないですか?

簡単に「大丈夫だよ!なんとかなるよ!」って言えないよなぁ、そんな気軽な問題でもなさそう…。
地域に情報提供して支えてもらうことにして、入院中病棟では何ができるだろうって考えてみても入院期間なんて数日で終わってしまう(初産で4〜5日で退院が大多数)し、その間、結局授乳介助しかしてない。みたいなことも多いですよね。

実際に、不安定なママたちを全力で支えるために助産師は何をするべきなのか。

助産師の役割について改めて考えてみたいと思います。

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ママたちを取り巻く社会

昨今、児童虐待や、妊婦や産褥早期の自殺などが問題になっているのですが、まだまだ世間に十分認知されているとは言えない状況です。あたり前のことなんですが、社会にとっては妊娠や出産はそれだけでハッピーなものですよね。世間に児童虐待や産褥の自殺などあるわけないし、死産なんて自分には絶対にありえないことだって考えている(知りたくない、関係ないと信じたい)妊婦さんも多いです。…まぁ、当然で普通のことです。

でも、産前産後のうつは妊婦のおよそ10〜20%がなると言われるくらいよくあることなんです。

産前産後はそもそも精神的に不安定になってしまうものなんですが…高齢出産が多くなっていて、そもそもご両親も高齢で支援は期待できないとか、地方から都心へ来て結婚し核家族で周囲に友人も少ないとか、そもそも赤ちゃんなんて関わったことも見たこともないから産後の想像が難しい。なんてことはよくある話です。

社会を見渡してみても、児童虐待がニュースになると虐待をしてしまった親は人間じゃないみたいな書かれ方、叩かれ方をしておしまい。産後、育児不安から自殺をしてしまうママがいるってことは大々的には報じられない。

「イクメン」というよくわからない言葉(ごめんなさい)だけが先行していて、育休取るパパすごい!みたいな風潮には、(育休とった後のことがあまり語られていない気がして)私個人的には疑問が多いところです。

(もちろん、育休が取れるようになるなんて、日本もすごい進歩したなって大歓迎しているのですが…)

それにしても本当に、まだまだ「母親が主体となって育児をするのが当たり前」な社会では、ママたちは本当に辛い思いを抱えて過ごしているのですよね。

助産師の役割

多業種多職種みんなでママを支える

いうまでもないことですが、産前産後のメンタルヘルスケアには、助産師、看護師だけでなく産科医、精神科医、小児科医、心理士など院内の連携だけでなく、保健所、児童相談所、保育園など多くの業種や職種の協働が必要です。

妊婦検診中から産後入院、退院後の地域での支援を継続的にしていく必要があります。

その中で助産師はどのような仕事を求められるのでしょうか。

産科病院で働く助産師の役割

病院で働いている助産師の場合、妊婦検診から分娩、産後数日の入院期間と、産褥検診まで関わることになります。

周産期メンタルヘルスケアで重要なのは、妊娠したばかりの段階で精神疾患の既往がないか、もしくは精神的に不安定になる要素リスクはないかをよくよくアセスメントすることです。最初のスクリーニングが重要ということです。

ですから、病院の助産師や産科医の役割って結構重要です。スクリーニングがきちんとできて、かつご本人との信頼関係を良好に築いていけるような関わりを持つことが求められます。

特に助産師は、助産師外来、分娩進行中や入院中のケア、授乳や育児手技の獲得、産後の母乳外来など。ママたちが一番不安に思う部分のケアをトータルで担う職種なので、その責任は重大です。

実際に助産師としては、メンタルヘルスケアを考える上で妊娠するだけで精神的なリスクを抱えるのだということを知っておくこと。その上で誰に対しても同じように安心して妊娠、出産、育児をしてもらえるようなケアをする。ハイリスク妊婦について正しく理解して、適切にスクリーニングできること、院内、地域含めて協働してママと赤ちゃんをケアできるよう率先して役割を担う。それに尽きるかなと思います。

家族への支援〜子育てできないパパのケア

先ほど、パパの育休について少し触れましたが。

結局、ママたちが不安定になるのは孤立してしまうからです。

育休とってパパがそばに居て、おむつ交換やらミルク飲ませたりしてくれてるのに、自分が孤立してると内心感じてるママもいるんです。

その場合のパパ達は、大変そうなママの「手伝い」はしてるけど、ママと一緒に「育児、子育て」はしてないんですよね。頑張っておむつや沐浴を手伝ってるけど、家事はしないとか。おむつもウンチの時は変えられないとか。
ミルク飲ませながら「今日のご飯何ぃ〜?」なんてことを悪気なく笑顔で帝王切開後のママに話しかけるなんてことを聞いたりします。

そんなパパに対して、助産師として何かできるのかなって考えてみると、例えば両親学級で「沐浴は力のあるパパのお仕事ですね」なんて言ったりせず、「2人でできる沐浴」なんて話に変えてみたり、「パパの料理教室」を開催するなんてのもありでしょうか。

ママに対しても、パパとの心理的なギャップを埋めるための関わり方なんて心理士さんの講座があったら、私だったら飛びつきます。

精神科について学ぶこと

助産師にはママを支える大切な役割があって、なかでも「メンタルケアは、今とても重要なんだ!」ということをここまで書いてきました。

産科病棟で働く助産師が多いと思いますが、私の同僚の中では臨床心理士や公認心理師の勉強を始めたり、精神科に就職して実際の精神疾患について学んだりしている助産師もいました。

産科に特化したメンタルヘルスケア能力を向上させるような教育体系は今のところありませんから、やや遠回りでも精神的な支えを必要とする妊婦さん・ママさんが本当に多いので、その経験や資格、学びは助産師としてはかなり強みになるだろうと感じています。私自身も、もう少し残りの助産師人生が長かったら、チャレンジしていたと思います。

実際に精神科に鞍替えしてしまうっていうのも、なかなかハードルが高いと思いますが、やってみる価値はありそうです。|
産科で勤務しながら精神科領域について学んでいくっていうのが現実的であるのかもしれません。
現役の精神科Nsハチさん(@nursehachiblog)が書いているブログがとっても参考になります。

精神科を看るのに必要な書籍などたくさん紹介されています。実際の精神科看護現場について知りたいなら、一度読んでみる価値ありです。

ハチブロ
【保存版】精神科看護師歴5年が教える精神科必須の13の勉強法とおすすめ本25選 さん運営の『』 ブログタイトル: Twitterアカウント: 雑記or特化: WordPressテーマ: ブログジャンル: 紹介文 ブログを始めたきっかけ 本人おすすめの記事

おまけ

それから、これは助産師の仕事かどうかわからないけど、子どもたちには例えば女性だから料理ができなくてはいけない、とか男性だから力仕事をしなくてはいけない、稼いでこなくてはいけないとかではなく、大人と子どもも含めた家族みんなでそれぞれが得意なことを担当してみんなで家事や育児をするんだよ。っていうようなことを(少なくとも息子には)伝えていきたいですし、そういう社会であるといいなと考えてます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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